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有名企業の社内副業制度って?知っておくべき事例とメリット

「働き方改革」の文脈の中で、副業・兼業を促進していこうという動きが見られます。(複数の業務を行うことについて「複業」という表記をする場合もあります。)

大手企業の中には社内やグループ内で副業を促進していく取り組み事例もあります。

サイバーエージェント

引用元:株式会社サイバーエージェント

仕組み

・エンジニア・クリエイターといった技術職の社員が、通常業務以外のプロジェクトやサービス・商品の仕事を就業時間外で請け負い、報酬を得ることができる「Cycle」という仕組みを導入。

・副業をしたい社員と案件をマッチングする社内専用ポータルサイトを今年12月目途に開設。

・所属する会社とは異なるサイバーエージェントグループ内の会社の案件に限って受けることができる。

・副業をするタイミングや案件などを自分で選ぶことができ、給与以外の報酬を得る機会が生まれる。

・これまで社外に発注していた案件をグループ内社員が受けることで、質の向上を図る。

・部署異動などをしなくても技術職社員のスキル開発をすることができるため、グループ全体の技術力向上につながる。

特徴

・依頼先が社員なので与信チェックが不要。依頼先選定までのスピードが早い。

・基本的に「Cycle」は単発の案件を業務委託として請け負うため、契約についても発注に関わる個別の契約のみで済む。また、社内同士ということもありスムーズに連絡が取れるので依頼先選定も簡単、業務内容についての打ち合わせも実施しやすい。

・契約は、社員個人と委託元会社との発注書兼請書で業務委託契約を締結。また、あくまでもメインは本業となるので、本業の会社とも誓約書を締結。(秘密保持、健康管理などの項目も有る)

導入状況

・半年で9つの案件が完了、現在も契約調整中が数件ある。(2020/4/28)

・現在は、工数として2~3営業日分の仕事が多い。スポットでリソースを必要とする時に効果的。

・相談ベースで納期を決められることが多い。(本業を圧迫しない)

・業務をグループ内で循環させているので、サービスや社内システムについてお互いに知っていることや、既に事業理解がある分、発注者がゼロから説明しなくても、イメージに近いものがより早くあがってくる。

・いきなり社外で副業先を探すのはハードルが高くても、ちょっと興味がある分野に社内でチャレンジできる。

・「Cycle」を通して、スキル向上や、自身の課題点を見つけるきっかけにしている社員が多く、前向きに本制度を活用してもらっている印象とのこと。

利用者の感想

<よかった点>

・事業部を越えて、仕事を通じてサイバーエージェント内で繋がりを作れた

・普段と違う業務ができ刺激になった

・自身の技術の課題も見えてきて勉強になった

<もっとこうしたほうがいいと思った点>

・現在の副業可能者リストがあったらいい

・通常の外注フローのように発注者がいつでもアプローチできたらいい

・フローの簡素化

改善点・今後の課題

・フローの簡素化

申請フォームを使って発注者が案件発生のタイミングで簡単に申請できるようにした。

受注者側の応募もメールのやり取りが多く発生していたが、現在は社内のワークフローシステムで確認できるようになった。

・周知の仕方

当初は定期的に「Cycle」運営側から、事業部に案件を募っていたが、徐々に発注者側から声が上がるようになった。

・今後、発注者側からの逆指名マッチングも進めていきたいとのこと。

https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=23856

https://www.cyberagent.co.jp/way/features/list/detail/id=24591

KDDI

引用元:KDDI

仕組み

・就業時間の約2割を目安に自部署以外で業務できる「社内副業制度」を導入。

・給与が別に発生する訳ではない。

・対象は正社員約1万1000人。テレワークを活用するため、勤務地に関係なく応募できる。

導入状況

・4月1日から86種の業務について募集・選考した結果、6月1日以降、63人が社内副業を順次始める予定。 

・応募者は20代が最多で、約2割が東京以外からの応募だった。

・社員が持つ専門性やこれまでの業務で培った知見を生かせる業務。

特徴

・「自分の専門性を磨く場が欲しい」「他の部署を経験したい」という社員からの声があった。

・自らの希望で募集業務に手を挙げ、定期異動と比較してより速く、より柔軟に新しい場への挑戦が可能になる。

・従来、会社命令や公募を通じて社員に“兼業”してもらうといった、一般的な人材交流のスタイルが取られていた。ただ、こちらでは会社側が考慮した人選に基づき、しかも社員の席を所属部署からプロジェクト側に完全に移すケースが多かったという。

・本業あっての“副業”であり、メイン業務も従前通りに行ってもらう。本業の方もどれだけ効率化できるか考えてもらう、という点も期待したい。

・「従来と全く同じ量」の本業業務と副業を両立させるというよりは、同僚に一部負担してもらう、といったフォローも実際には入れていくという。人事評価に関しても、考課で規定する数個のミッションの中に副業の分も明確に組み込む。

“ジョブ型”に移行する取り組みとして実施

・KDDIは「ジョブ型」の採用枠を拡大しており、2021年卒分で約4割に上るという。

https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/06/26/4521.html

パナソニック

共創する組織づくりの図 社内副業 (職場:社員→他部署移動→自己成長→社員) 社外溜職(職場:社員→他部署移動→自己成長→社員)
引用元:パナソニック

パナソニックが新たに採用した2つの制度

・「社外留職」と「社内複業」

これまでも社員に留職、複業をすすめていたが、一部の優秀な社員や、イマイチ社員が対象で後ろ向きの暗いイメージがあった。今回は誰でも応募できる明るい前向きなイメージで制度化した。

「“寄らば大樹”の若い社員が増えている。厳しい就職戦線を突破してパナソニックに入ったら、終身雇用で守られると思っている。パナソニックはゴールではない。技術を身に付け、自分を売り込めということ。つまり最終的に人減らしをしたいということです」という同社幹部の声もある。

社外留職

・従業員が他社に籍を移し、パナソニックでは経験できないような仕事を通じて、新たなスキルを身に付けてもらうもの。

・期間は1ヵ月~1年程度。初年度は5名程度を公募する。

・入社4年以上で、現在の部署で1年以上働く社員が対象。

・一般に「留職=海外企業、団体に一定期間赴任すること」だが、パナソニックでは海外でなくてもいい。

・どっぷり「社外」に浸かることで人材が育つ
・自社では提供できない「成長の場」を与えられる
・従業員が留職経験者から刺激を受ける
というメリットがある。

社内複業

・所属している部署に籍を置きながら、同時に別の部署にも所属して仕事をする。

・期間は1ヵ月~1年で、他部署で仕事する比率は最大50%になるよう調整される。

・本業で得た経験やスキルを活用して、キャリア形成を目的とする点が副業とは異なる。

・最大のメリットは生産性の向上。複数の組織で同時並行で仕事をこなすためには、仕事に優先順位をつけ、かつ成果を出さなければならない。複業を成立させるためには、本人が生産性を向上させる必要がある。個人のパフォーマンスが上がるとチームのパフォーマンス向上にもつながる。

・一方、複業を導入する際の課題は、仕事を同時並行にすることで指示系統が混乱しやすいという点。社内であるために複数の仕事の区別をつけづらくなってしまうからだ。

懸念

・留職はリストラ促進か?という懸念もあった。(2018年時点)

・岡山商科大学経営学部の長田貴仁教授は次のように発言している。

「パナソニックに限らず今後、社外留職、社内複業をすすめる企業は増える。こうした企業の共通項は、新規事業がなく、次の一手となる新しい食いぶちがないことです。そこで新しい世代には自分で食いぶちを探せ、探せなければ居場所はないということを示唆したもの。終身雇用は約束できないということなんです」

・対して、留職の参加者は手応えがあるようだ。

留職レポート
http://crossfields.jp/project/company/panasonic/

 https://www.panasonic.com/jp/corporate/jobs/hr-feed/talk014.html 

ライオン

ライオン、副業人材を公募 リモートワーク拡大追い風: 日本経済新聞
引用元:日本経済新聞

・ライオンは、2020年春をめどに「人事部が社員に副業を紹介する制度」を始める。

・人材紹介会社と提携し、幅広い仕事を取りそろえる。

・副業のために月に数回働くことを想定し、出向中など一部を除く対象社員の2%に当たる50人ほどの利用を見込んでいる。

・日用品メーカーといった競合他社での副業や公序良俗に反する仕事などは禁止。

ライオンで副業するための条件
・本業の残業時間と副業の労働時間で合計で月80時間を超えない
・翌日の勤務まで10時間のインターバルを設ける
・週に1日は休日を取得する
などの条件も設ける。

ライオンは20年1月から副業を申告制に変更している。それまでも副業は可能だったが、上司の許可が必要であり、研究職が大学の非常勤講師を務めるといったケースが大半を占めていた。

今回の制度では、残業時間の管理などは個人がおこなう。また、副業中の労務管理は副業先が担うため、ライオンは関与しない。そして、本業の生産性低下など悪影響が出た場合は、上司が面談をするなどの対応をとるそう。

また、ライオンでは他社からの副業人材を受け入れる取り組みもしている。

・転職サービスのビズリーチ(東京・渋谷)を通じ、新規事業の立ち上げにたけた人材を5人程度、採用する。

・ライオンが個人に業務委託する契約で、勤務日数は週1日から。リモートワークも可能で、報酬は経験や勤務日数に応じて個別に決める。

Yahoo

UPDATE みんなの働き方の画像
引用元:ヤフー

Yahooも他社からの副業人材の受け入れを始めました。

・本日より副業先としての受け入れ(ヤフー以外で本業に従事する方の受け入れ)を約100名開始。(2020/07/15)

・社会の新常態(ニューノーマル)を見据えた「オープンイノベーションの創出」を目的に、ヤフー以外で本業に従事する方の副業先としての受け入れを開始する。ヤフーを副業先として、当社に参画いただくことで、従来では交わる機会が得られなかった人材とともに、新たな事業やサービスにつながるイノベーションの創出を目指す。

https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2020/07/15a/

募集人員の例

□ヤフーの戦略アドバイザー(最大10名)
CSO(最高戦略責任者)安宅和人と「シン・ニホン」をテーマに、ニューノーマルの世界を見据えた上で、日本を元気にするためのインターネットサービスの企画立案を行っていただきます。

□ヤフーの事業プランアドバイザー(最大100名)
COO(最高執行責任者)小澤隆生と「ヤフーのこれから」をテーマにグループシナジーをさらに高めるための戦略やこれまでにない新しいメディアサービスの企画の立案を行っていただきます。

□ヤフーの新規メディアサービス企画
ヤフーのアセットを生かした、これまでにない新しいメディアサービスの構想、企画、事業化

□ヤフーの新規コマース事業戦略
コマース事業領域における新規事業、新サービス、新スキームの開発を担当

□ヤフーのグループシナジー戦略
グループ間のシナジーをさらに高め価値創造するための戦略立案を担当

□ヤフーのテクノロジースペシャリスト
高い技術力と専門性を駆使し、次の当たり前を創る

Yahooの採用情報ページより引用
https://about.yahoo.co.jp/hr/gigpartner/

働き方が変化する中で、大手企業の新しい取り組みを知ることは良い会社作りのヒントになりますね。

記事監修

classwork編集部

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